ADHDの経営コンサル情報日記

ADHD(注意欠如・多動性障害)特性を持つ経営コンサル会社社員の日記です。メンタルヘルス、健康、経営、業務効率化など、関心のあることについて書いていきます。

自分のADHDの症状をみつめよう

ADHDのあらわれ方はさまざま

 

 ADHDの症状はあらわれ方が人によってまったく異なります。

 子どもの頃に多動が強くあらわれていると、学校の授業を着席して聞くことができないなどトラブルが起こりがちなので、早くにADHDが発見される傾向があります。しかし、その他の場合であまり目立ったトラブルを起こすことがないと、多少困ったことがあっても「子どもだから仕方がない」と思われたり、単に「だらしない子」などと考えられがちで、本人も周囲も気がつかないまま大人になることが多いのです。言わば「かくれADHD」です。ADHDの症状への対処法を知らないまま、親元から自立したり、就職したり、結婚したりして、仕事や家のことがこなせず、行き詰まってしまうのです。

 また、少し前までは教育や小児医療の現場でもADHDについての理解が広まっていなかったことも、今の大人がADHDを見過ごされてきたことの一因です。

 ADHDは人によって、症状や特性のあらわれ方が多様で異なります。子どもの頃の症状のあらわれ方もさまざまです。

 この、『人によってあらわれ方が多様なこと』がADHDの発見を遅らせている原因にもなっているようです。そこでこの記事では、ADHDの症状について書いてみようと思います。典型的なパターンの紹介と、私自身の症状も紹介していこうと思います。

 

 

子供のADHDの典型的なあらわれかた
  1. 腕白なトラブルメーカー・・・子供のころから、わんぱくでトラブルメーカーでした。自分では悪気はないんだけれども、いろんな物を壊してしまったり、高い所から飛び降りてみたり、学校の授業中に教室を飛び出したり、集団行動も大嫌いで、ジッとしているのがとにかく苦手でした。他の子供とのけんかもしょっちゅうでした。大人になって、なんとか落ち着いてきたかな、と思います。
  2. おとなしく空想好き・・・おとなしく空想好きな子供で、手のかからないおとなしい子だと思われていました。ただ、何かに夢中になると周りのことに意識が向かず、声を掛けられても耳に入らなくなって、親の『ごはんだよ』とか『お風呂に入りなさい』という声も聞こえず自分の世界に没頭したり、授業中に妄想にふけってしまい話を聞いていなくて怒られることもよくありました。遅刻や忘れ物も多く、教科書を忘れてよく隣の子に見せてもらっていました。
  3. 天然、不思議ちゃん・・・子供のころから、友達は多かったのですが、人が何を言っているのか理解するのが苦手で、とぼけた反応を返してしまうことが多かったらしいです。自分では真面目なことを言っているつもりなのに、みんなに笑われてしまうので真面目なことを言うのは止めました。そのほうが平穏で、不安にならなくて済むし。でも、私ってバカなのかな?
  4. 自分がうまくコントロールできず、暴走気味・・・新しいものが好きで、ハマるとのめり込んでしまうタイプです。でも、飽きっぽい所もあります。たとえば新しいゲームにハマると、寝食を忘れて没頭してしまいます。また、夢中になるとまわりが見えなくなってしまいます。人の話をさえぎって一方的にしゃべってしまうことも多く、話題もどんどん変わって脱線しがち。そのため、気が付くとまわりの子がひいていることもありました。『またやっちゃった・・・』と後悔することもありましたが、そういうところが面白い、と言ってくれるお友達もいました。

 私の場合は、『おとなしく空想好き』に当てはまると思います。今でも何かに夢中になって、まわりの声が聞こえないで没頭してしまうことはよく有りますし、小学校のころに『忘れ物も多く、教科書を忘れてよく隣の子に見せてもらっていました』からね。しかし、集団行動はできますが苦手ですし、相手の言うことに対して場違いな反応をしてしまって恥ずかしい思いをすることもよくありますし、新し物好きで飽きっぽい(というより、興味の範囲を広げ過ぎて以前興味を持ったものに対応できなくなる)所もありますし、以前、麻雀にハマっていたときは数十時間寝食を忘れて麻雀を打ちっぱなし、ということもよくありました。(大人になってからの症状ですが。とはいえ、子どものころからこういう傾向はありました。)

特定のタイプに分類できる、というものではなく、おそらくどの症状も原因となる脳の働きは同じなんだろうな、と思います。


大人になったらどういう症状になるか?

多動は、9歳のころをピークに、大人になってくると収まってくることが多いと言われているのですが、大人になっても多動の傾向が残る人も珍しくありません。というより、何らかの形でその痕跡は残ることの方が多いのではないでしょうか?

大人のADHDの多動傾向の現れ方を見てみると、以下のような形で現れることが多いです。(中には、多動とひとくくりにしてもよいのかと思われる症状もありますが、ご容赦ください)

  1. 落ち着きがない・・・症状としては、貧乏ゆすりや爪を噛む、手に持ったものをいじる、落ち着きなく体を動かすなどのくせがある、動きが不器用で、よくものにぶつかったり転んだりする、ドアをバタンと音を立てて締めたり、食べ物や飲み物を容器からこぼしたり、皿やコップを割ったりなど、非常に雑な動きをする、等の現れ方があります。人によってさまざまな現れ方があるので、ご自身の事をよく観察してみると新たな現れ方のパターンが分かるかもしれません。
  2. 待てない・・・乗り物に乗ったり、映画やコンサートなどを座って観たりすることが苦手、行列に並んだり、待たされたりするのも苦痛、静かにしていなくてはいけない場面で、おしゃべりをがまんするのがつらいという人もいます。
  3. 話を聞かない、理解できない・・・・・・ADHDの傾向がある人には、人の話を理解できなくて困っている人がいます。
    原因として、話を聞いている間にも、他のことに気を取られて集中できないということが考えられます。また、せっかちなため人の話が終わるまで待てず、途中までしか話を聞いていないという場合もあります。また、相手が何を意図して話しているかイメージするのが苦手なために、話が理解できない場合もあります。皮肉や冗談も通じません。とくに複雑なことや、まわりくどい話は苦手です。相手の本心が読めず、だまされやすい人もいます。聞いた内容を覚えていることも不得意です。部分的に忘れてしまうだけではなく、話をしたことさえ忘れてしまうこともあります。どんな状況で、どんなことを理解しづらいか、今までの経験から考えてみましょう。理解を助ける方法も一通りではなく、本や図など目で見たことの方が理解しやすい視覚優位タイプと、話してもらった方が理解しやすい聴覚優位タイプに分かれます。落ちつきのなさから話に集中できない場合は、じっとしているとかえって気が散ってしまい、落書きをしたり、髪の毛をいじったりした方が会話に集中できることもあります。
  4. 感覚が敏感・・・急な物音や話し声などに敏感に反応したりするなど、感覚に繊細なところもある。洋服の肌触りや、食べ物の味や感触、匂い、まぶしさなどが気になってしまうという面がある人もいます。これらは脳の中の前頭前野で行われる不要な情報を排除する働きが弱いためと考えられています。

 私の場合は、1.の症状としては、爪を噛む癖(だいぶマシになってきましたが・・・)は残ってますし、職場では気を遣っているつもりでも、ついドアをバタンと雑に閉めてしまったりして怒られたりします。また、待つのはできますが嫌いですし、相手の話し方によりますが、人の話を聞いて理解できなくて仕事に支障を来たすケースも結構あります。(相手の話し方によりますので、必ずしも理解力に問題があるとは思ってないのですが・・・特に、主語、述語を略して話してくる人の言うことは理解できないことが多いです。前後の話で分かるだろう、と言われても、分からない場合が多いのです。でも、ちゃんと略さずに話してくれれば、かなり難解な内容でも理解できます。)


 

『メモ魔』になって自分の症状にあった対策を確立していく

 典型的なADHDの賞状のパターンをご紹介しましたが、あなた自身に当てはまることもあって、『ある、ある!』となっている人も多いのではないでしょうか。

 私自身の経験から言うと、自分がどういう症状を持っているのか認識するためには、まずは自分自身を観察してみることです。そのためには、自分自身の症状をノートに書き出してみるのが一番いい対策だと思います。

 とはいえ、一度でその症状を一気に書き出すことができるとは思わないほうがいいでしょう。ノートに、やるべきこととか、やりたいこととか、思いついたことを何でもメモする習慣をつけて、その流れの中で、自分の失敗経験も忘れずに書いていく。
 過去の失敗経験を思い出したときも、それでくよくよして時間を無駄に使うのではなくて、ノートに書いて一時的に棚上げしておくようにすれば、貴重な時間も無駄にせずに済みます。

 そもそも、ADHDタイプは、行動や作業をするときに必要な「ワーキング・メモリー」と呼ばれる、脳のなかの「記憶のお盆」が小さいといわれています。

 たとえば、朝の通勤という作業。
 毎日のことだからいちいち意識していないようでいて、人は、さまざまな過去の記憶を「ワーキング・メモリー」のお盆にのせて、それを総合的に組み合わせ、未来を予測したりしながら、会社までたどり着いています。
家から駅までは何分、会社までは急行電車で何分、乗るべき電車は新宿行き、降りる時は右側のドアが開くから右寄りに立つ……などなど、通勤にまつわるいろいろな過去の経験を記憶の倉庫から取り出してはお盆にのせて、それらを元に未来を推測して目的を実行しているのです。
 ところが「ワーキング・メモリー」のお盆が小さいと、いくつかの記憶がポロポロとこぼれてしまいます。あわてて電車に飛び乗って「あ~、間に合った」と思ったら、「しまった!逆方向だった」なんて…。
「乗るべき電車は新宿行き」という記憶が、お盆から落っこちてしまったんです。
こんなことが起こりやすいのが、ADHDタイプの人の脳のクセ。だから、ついうっかり忘れたり、ヘマをしちゃったりするのです。

 ワーキングメモリが十分使える人でも、ADHDの『新規探索傾向』といって、何にでも興味を持ち、情報収集する癖によって、あっという間に頭の中がごちゃごちゃしてきたりします。ワーキングメモリは容量が限られているので、そんな使い方に向かないのです。

 だからこそ、ADHDの人はメモ魔になった方がいいと思います。

 私は、普段から大型のノートに、気になったことはなんでも書き込む習慣をつけています。

 あと、パソコンに向かうときは、なんでもEVERNOTEにクリップしたり、メモしたりするのも習慣化しています。

 小さなメモ帳とポストイットも持ち歩いているのですが、サイズが小さいので無くしてしまいやすいです。ペンも持ち歩かないといけないので、私だとメモ帳、ポストイット、ペンのどれかを忘れていることが多く、イマイチ使いきれていません。(だから、机についたときに、覚えていることをできるだけ忘れる前にメモするようにしているのです。)

 だから、最近はiPhoneEvernoteアプリを使うことが多いです。スマホでの文字入力はあまり得意ではありませんが、紙のメモより紛失や忘れるリスクはないので、仕方なく使っている、という感じです。

 とはいえ、Evernoteでは、チェックボックスを使って、こんな感じで忘れ物チェックリストを作ったりすることもできるので、そこそこ便利に使えてはいます。

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 あと、アラームも使えますしね。でも、たまにしか使わないですし、使いこなしているとはとても言える状態ではないですが、無いよりましだなあ、という感じです。

 

 とにかく、自分の症状を普段から観察して、メモを残して、それをヒントに工夫して、自分にしっくりくる対策を徐々に確立していく、という方法が、ADHD対策の基本なんだろうな、と思っています。

 不思議と、『書く』ことで、少ないワーキングメモリーにごちゃごちゃになっていた物事から少し自由になって、すっきりと心も軽くなり、普段ならできないことも何とかこなせるようになっていくものです。ADHDの人にとって、このすっきり感を味わうためだけでも、『メモ魔』になる価値はあると思います。