ADHDの経営コンサル情報日記

ADHD(注意欠如・多動性障害)特性を持つ経営コンサル会社社員の日記です。メンタルヘルス、健康、経営、業務効率化など、関心のあることについて書いていきます。

ADHDのやるべきこと管理法

タスクを片付けるには、まずリスト化

 

ADHDの人に多いのが、「やるべきこと(タスク)が予定通りこなせないこと」。段取りが悪くて失敗ばかりだったり、やる気が出なかったり、集中力がなかなか持たなかったりして、やらなきゃいけないことをこなせないんです。

そういう時には、とりあえずやらなきゃいけないことをリストにしてみましょう。

そもそも、やるべきことのほかにも、やりたいことや興味のあることが、頭の中でポンポン浮かんできて、ちゃんと認識する前に次に興味の対象が移ってしまって、やるべきことが何なのかが、頭の中で明確にできていないのが、なかなか集中力が発揮できない原因だったりします。

やるべきタスクを目に見える形でリスト化することで、視覚で確認できるようにすると把握しやすくなり、きちんとその事を完結させるまで集中することが出来るようになってくることがよくあるんです。

 

リスト化の次は必要な時間と優先順位を把握

 

では、とりあえずリストを作ったとして、これを上から順番にこなしていけばいいのか?と慌てて取り掛かろうとせずに、ちょっと待ってください。

まずは、リストに必要な時間と優先順位を付記してみましよう。

タスクには、重要度やかかる時間、取り組むことができるタイミングなどで優先順位を付けることができるはずです。

まず、重要度を考えると、例えば、社会的信用にかかわることは、重要度が上位です。

また、自分の人生設計のうえで重要度の高いもの、たとえば資格やスキル、語学の勉強などに高い優先順位を割り振ってもよいでしょう。

そして次に、締切などがあって今日しかできないことや、取り組める時間が限られているものをチェックしましょう。

たとえば窓口の時間が決まっているものや待ち合わせのように時刻が決まっているものは、特定の時間帯で用事を片付けないといけないので、その時間帯においては優先順位が高くなるはずです。

例えば、図書館は5時までだから、閉館の1時間前には図書館に到着する、などと予定を立てていくわけです。

それをさらにあなたの生活時間に当てはめてみましょう。場合によっては、円グラフなどでタイムスケジュールを作ってもいいでしょうし、簡単に手帳で当日のスケジュールに、取り組む時間とともにやるべきことを箇条書きするだけでも良いです。

書いてみると、すぐに手帳やグラフのの書き込むスペースがいっぱいになってしまい、タスク処理できる時間は限られていることが実感として分かるはずです。

時間を管理するのが苦手なADHDの人には、たいていのことは「いつでもできる」と楽観的に思っている傾向が強いと思うのですが、実際にはいつでもできるわけではなかったんだな、と思えるようになれば、だんだん時間を大切に使おうという意識が芽生えてくると思います。

作ったリストは、常に見えるところに置いておき、済んだものに印をつけるのもいいと思います。ただ、ペラペラな紙だと本や書類に埋もれてしまって何処に置いたのか分からなくなってしまうのもADHDの人にとってはよくあることなので、やはり手帳やスマホevernoteアプリやリマインダーアプリなどにリストを作った方がいいんでしょうね。

私の場合は、無地のリングノートと、evernoteを併用しています。単なるto doリストは、時間のある時にタスクにチェックボックス付で作成し、仕事中は気になったことや思いついた考えを何でもノートにメモします。ノートは、別に整然としていなくてもいいです。単純な足し算や掛け算などもノートで手書きして計算する場合も多いです。計算過程を残しておくことで、あとで仕事の解決に結びつくこともありますし、そもそも計算過程を忘れて、後で困ることも多いですから。

こういうことを考えたときに、「そうと決まればかわいいメモ帳を買いに行かなきゃ」とか、ADHDの人は考えがちです。

ADHDの人はひらめきが多いのでリストにないことが頭に浮かんでくることがあります。まさにそのメモ帳を、買いに行くとか。

そういったことに気をとられると予定していたこともできなくなるので、リストにないことをしたくなった場合には、とりあえず、その考えを書きとめて置きます。

こうすることで、安心できますし、いざ行動しようとすると、別のことに気が散ってしまう症状が結構緩和されます。

ADHDの多動性が引き起こす現象ですが、こんなふうに考えがボンボン浮かんでくることをポップコーン現象と呼ぶ人もいるようです。

また、浮かんだ考えを記録しておくとADHDの人の得意とするひらめきをきちんと活かすことができる可能性もあります。

私は、仕事に取り掛かる前に、一通りなんでも書き込んでいるノートをさらっと見直しするように習慣づけていますが、これで仕事の作業漏れがだいぶ減っています。


メモ帳の使い方あれこれ

 ここまでメモやノートの重要性を頻繁に書いているので、もしかしたら、
「メモ帳を持ち歩こうかな」
「メモをあちこちに置いておこうかな」
と思ってくださった方は多いかもしれませんね。

実際、ADHDでメモを活用している人は多いみたいです。

急な用事ができたときもまずはメモをします。そうすることで、用を忘れることが減ります。(ゼロになるわけではないことはもどかしいですけど・・・)

時間がかかりそうなことならタスクリストに入れることを検討しましょう。

まずはメモして、それから時間と優先順位を考えるようにしていきましょう。はじめから、効率よくタスクリストに入れようとすると、ADHDの人の場合は頭の中が混乱してきて続きません。

なんでも、まずはメモ、それから優先順位、と、手順を踏むことで、面倒なようでも結局はたくさんのことができるのです


また、こうしたメモは集中力を高めるのにも役立ちます。

書くことで安心してそのときすべきタスクに集中できるのです。

何かタスクリストの中にある作業中に、「あっ、用事を思い出した」ということがあっても、慌てずメモして、書き留めたら「よし!メモしたぞ」と心を落ち着け、タスクリストの作業に戻ります。そうすれば、ADHDの人にありがちな、
「ええっと、何してる途中だったんだっけ?」という状態も、
「そうだった、掃除をしている途中だったんだ」
と、元の作業に復帰できます。

メモとタスクリストのおかげで、そうしたことに気をとられてもまたすべきことを思い出せるはずです。

また、当然ですが、リストは仕事でも使うことができます。しなければならないことを忘れていないかチェックするのにも役立ちます。

ADHD的特性のある人ほど、こういうことは苦手で後回しにしていることが多いのですが、
「なにからやろうかな あっ、これが急ぎだ!」と選り分けていく作業が、苦手で面倒な作業ではなく、だんだん「絶対に必要な作業なんだな」と思えてきて、最終的には「自分を成長させてくれる、楽しくてありがたい作業だ!」と思えるようになれば理想ですね。

苦手な作業はできるだけ人にやってもらった方がいいのですが、この手の作業は、秘書がいる大企業の社長さんでもない限り、自分でやるしか方法はないですし、最低限、これくらいはやろうとする努力をしないと、ADHD症状は改善していかないのでは、と思います。(この手の作業は私も苦手なのですが、あえて自分のことを棚に上げて書いてます。スミマセン)

気が散るのを防ぐ方法

ところで、ADHDの人の場合、そもそも集中力を切らさずに持続させることが苦手な人が多いはずですが、集中力を切らさないために、いろいろな工夫をしていくのもいいのではないか、と思います。

私の場合、自宅の部屋の中で作業するときは、必ずブラインドを落として外の景色が目に入らないようにして作業しています。

他に、よくある方法として、本棚の中にある本に目移りしないように、本棚にカーテンを掛けたり、オフィスなどで作業している机の周囲に仕切りを付けて、周囲に人が通っても気にならないようにしていく、という工夫をよく聞きますね。

こうすることで、作業中につい漫画に手を伸ばして読みふけってしまったり、人が頻繁に通ることを言い訳にして、作業が進まずイライラ・・・ということも少なくなると思うので、なるほどなあ、と感心します。

私の場合は、本棚は気にならない、というよりむしろPC作業中にネットを見てしまう方が問題。ネット環境が必要ない作業のときは、ネットから切断したりしてます。オフィスの机まわりに敷居が元々あった環境なので、自分で仕切りを付けたりしたことはないですね。

職場でのデスクワーク中に、「パソコンで作業しているときにメールがくると気が散る」、という人の場合は、メールの着信を通知しない設定にして、メールチェックを1日の決まった時間にしか行わないことを習慣にするとよいと思います。たとえば、「9時と14時」「始業時と終業時」とか、1日に2回しかメールをチエックしないことを職場に理解してもらうのも良いでしょう。

人によっては、「午後1時から4時までは電話を取り次がないでね」と同僚にお願いすることで、電話も取り次がない時間を作ってもらうことでこなせる仕事の量を増やす、という方もいますし、それで業務上の支障を来たさないのなら、そのような方法を取っても良いと思います。

家にいるときもテレビがついていると家事や勉強の効率が悪くなるので、テレビは見たい番組を録画しておき決まった時間にだけ見るようにする、というのも一つの手でしょう。

こういう対策は、とにかく、自分がどういう問題に困っているのか、仕事や作業に集中できないなら、何が原因で集中できないのか、分かっているからこそ立てられる対策です。まずは、自分の問題を把握して、それに合わせてどのような対策を取っていくかを個別に考えていくことが大切なんだろうと思います。


やる気を起こす

やらないといけないことはあるのに、どうしてもやる気が起きない、ということもよくあることです。

そういう時は、小さな用事を何かひとつ片づけるようにする、というのが、一番効果があると思います。

そうすることで、小さい達成感が得られますしそのままやる気モードになることもあります。集中することさえできれば、一気に仕事を片付けられることもあるのがADHDの人の脳の特徴ですので、まずは取りかかるキッカケを作ってしまうのです。

やる気が出ない原因の一つとして、目の前にある作業の作業量が多かったり、難しかったりしてとても時間がかかり、めんどくさい作業に見えていることもあるのではないですか?

そういう時は、難しいこともいくつかに分割して少しでも手を付けるようにするのがいいです。

例えば、単純に「掃除を終わらせなきゃ!」という時、一言に掃除と言っても、パッと思いつくだけでこんなふうに分類できますよね?

場所で分類すれば、

  • 自分の部屋の掃除
  • 台所の掃除
  • 風呂の掃除
  • 客室の掃除
  • 家族の部屋の掃除 

片づけの種類で分類すれば、

  • 服の整理 
  • 食器の片づけ
  • 雑誌片づけ 
  • 掃除機で床のほこりや塵を取る
  • 雑巾をかける

5分類×5分類あるので、単純計算すれば25通りに分割できる事になります。風呂に食器はない、とか、細かいことは置いといて(^_^.)

これで、「まずは自分の部屋の服の整理だけ、一気にやってしまおう!」とか、考えることができるようになり、作業に取り掛かれるようになったりするんです。

こなしきれなかった仕事は必要だと思えば翌日のタスクリストに入れ直して、翌日に回してもいいんですよ。

 

まとめ

私自身の経験から言うと、難しいことは、気づいたことにどんどん手をつけず、工程を細分化する事だと思います。ADHDの多動性を発揮して、つい、思いついたことを思いついたその場でやろうとしてしまうんですね。

しかし、ちゃんと整理をることで、今すべきことが明確になり着手しやすくなります。また、気づいたことにどんどん手をつけず、リスト化して順位をつけ、優先順に作業をすることもできるようになります。

結局、ちゃんと整理して取り掛かるほうが近道だ、と自分の中で納得できるかどうか、ですね。

再度補足ですが、順位づけする時は、「これをやらないと人に迷惑がかかる」「今日中に手続きしないと、郵便局に行ける時間は来週までとれない」などを考えて順位づけしましょう。
そして、タスクを予定化しましょう。所用時間や、生活のために必要な時間(食事や睡
眠など)を考慮します。一日の時間のすべてをいつでも使えるわけではないからです。

また、慣れるまでは完壁を目指さないことも大事です。リストの中でできなかった項目
に落胆するのではなく、こなすことのできた項目に自信を持ちましょう。

  • 今までのことをまとめると、
  • すべきことを把握する
  • 忘れないようにする
  • 計画をたてる
  • 気が散らないようにする
  • やる気を出すために、工程は細分化
  • リスト化して優先順位をつける
  • タスクを予定にして、時間を確保する
  • 完壁を目指さず、できたことに目を向ける

こういった工夫をするようにすればよい、ということですね。
とはいえ、すぐにできるようにはなりませんし、自分のペースで改善していきましょう。