ADHDの経営コンサル情報日記

ADHD(注意欠如・多動性障害)特性を持つ経営コンサル会社社員の日記です。メンタルヘルス、健康、経営、業務効率化など、関心のあることについて書いていきます。

ADHDの片づけ術 その2

 

今日は、ADHDの人の多くが困っていると思われる、片づけ方についての記事第二弾を書いていきたいと思います。

とはいえ、私もあまり得意なことではなく、えらそうに書いていながらできていない部分が多い内容なので、厳しいツッコミはお控えください。

 

「定位置に戻す」前の下準備として 再び「不要なものを捨てる」

ADHD症状を持っている人はデスクまわりやクローゼットなど、整理するのが本当苦手で、いつも散らかしがちですが、すっきりした環境の方が落ちつきます。片付いていたほうが、多動の症状でまわりのものに目移りすることも少なくなり、生活をコントロールしやすくなりますから、ぜひ片づける習慣を身に着けたいところです。

片づけるためには、前回の記事で重点的に紹介した「不要なものを捨てる」事の他に、ものの定位置を決め、使った後は必ずそこへ戻すことが大切です。

ある程度ものを捨てたら、身の回りにあるものの定位置を決めて、そこに置くようにしましょう。

定位置としたい場所に置こうとしても、スペースが狭くて思ったようにしまいきれない場合もあると思います。その場合は、「ものが多すぎる」と考えましょう。

「ものが多すぎる」となると、再び「不要なものを捨てる」作業に戻ることが必要かもしれません。

「捨てられない」という方も、大事にとっておいた物の中にその存在を忘れていたアイテムを見つけたことがあるのではないでしょうか。本当に必要かどうか見直しましょう。

面倒な作業に「自分のルール」「自分の手順」を作る

世の中には、何でもないようなことだけど、ADHDの人にとってなかなか手が付けられなかったり、できずにいることがあふれています。

例えば、ゴミ出し。

分別するのって、結構面倒な作業ですよね?特に多動性の強い人にとっては、作業を最後まで完了させるのはすごく困難です。

そのため、ゴミ出しの方法が煩雑でゴミがたまって困っている人がADHDの人には結構いるみたいです。

そこで、一度時間をとって、しっかり捨て方を把握し、わかりやすく書き留めておきましょう。

できるだけ自分の言葉で書くといいですね。

例えば、まずはこんなふうに箇条書きしてみます。
(これはあくまで例です。自治体によって違うはずです)

  1. リサイクルできる『資源ごみ』(草木、紙類、かん、びん、ペットボトル)と、燃やすと有害物質が出る『有害ごみ』は透明の袋に入れる。
  2. 市が指定するゴミ袋に入れるのは、『燃やすごみ』はプラスチック、ゴム、皮革、生ごみ、油、紙おむつ、布きれ、紙屑、感熱紙、カーボン紙、燃やさないゴミは金属、金属を含む製品、陶磁器、ガラス製品、小型家電製品、その他
  3. 指定ゴミ袋に入らないものは、粗大ごみなので、コンビ二で処理券を購入して担当部署に電話する。
  4. かん、びん、紙、有害ごみは毎週水曜日に出す。
  5. ペットボトル、草木は第一、第三土曜日に出す。
  6. 指定ゴミ袋の燃やすごみは月曜、木曜
  7. 指定ゴミ袋の燃やさないゴミは第二、第四水曜
  8. スプレー缶は必ず穴をあけてガスを使いきって出す。
  9. ビンは中を水でゆすいでからだす。
  10. ペットボトルはふたを外し、ラベルをはがす。
  11. ペットボトルはできるだけ潰してから出す。

こういう公共のルールは細かいですが、『いつ何を出すか』は、できるだけスケジュールに入れて習慣化するほうがいいですね。放っておいて自然に覚えることを自分に期待しても、なかなか覚えないですから、思い立ったときにスマホのアラーム設定などはしたほうがいいですね。

 

ゴミ箱

また、分別しやすいごみ箱を作るといいと思います。
たまにどーんと大掃除するより毎日ゴミをためないようにすることが大切なんですが、ちゃんと分別できるゴミ箱がないとそれすらできないですし、ためると大変ですから。

ちなみにゴミ箱も少ない方が楽です。おそらく、どういうゴミ箱を用意するべきかは主婦、学生、会社員など、ライフスタイルで違ってくると思います。

私は40代男性会社員で、掃除の必要があるのは自分の部屋だけで、一番出るごみは紙のごみですので、廃棄用の紙類を入れるダンボールと、小さなゴミ箱だけにしています。こまごまとしたプラスチックやホチキスの芯などは机の中に小さな箱を用意して入れ、これは思い立ったときに出すようにしています。しかし、まだまだ机の中が散らかりますね。

小さなゴミ箱に入れる資源ごみだけ、できるだけ毎日、台所にある大きなゴミ箱にまとめています。しかし、よく忘れて出勤してしまいますけどね・・・

持ち物の量を制限するルール作り。正直私には難しい

当たり前ですが、普段過ごしている生活スペースや職場には、広さに制限があります。買い物癖がある人が多く、物を捨てるのが苦手なADHDの人にとっては、ものの置き場所に困ることが本当に多いんです。

ものが無制限に多くなると、困るのは自分なのですから、持ち物の量については自分でルールを作るべきなんだ、とADHD関連の本には、良く書いてあります。

たとえば本は何冊まで(この本棚に収まる以上は買わない)、服は何着まで(このクローゼットに収まる以上は買わない)、くつは何足まで(この靴箱に収まる分まで)、カバンは何個まで、とか。

しかし、これが私の場合、なかなか決められないんですね。

本の場合は、以前の記事でも紹介しましたが、解決策として、『scansnapで自炊する』ということをしだしました。

 

www.adhdconsultant.net

 


しかし、なかなか思うとおりに行かないですね。私の場合、通勤時間で毎日そこそこ時間が取られるので、現状では自炊も『たまにやる』程度になって来てます。

結構、本をばらすのも大変な作業だし・・・

いかん、ADHDの飽きっぽさが出てしまっている・・・でも「Scansnap」、使えるのは確かですよ。


本題に戻すと、ADHDの人で、ものが多すぎる人がルール化すべき例として、例えば、

  • 『読み終わっていない本』があるうちは本は買わない
  • 着ていない服が手元にあるうちは次の同じグッズは買わない
  • 読んだり着たりしてみてつまらない、いらないと思ったら捨てたり他人に譲るなどして処分する

といったことが言われることが多いみたいですね。

意外と自分で作ったルールは守りたくなるものですから、有効な手段だと思います。私も、取り入れていきたいです。

ものを減らすのはものの管理をしやすくするためです。

ある程度ものを減らしたら、次に行うのはものの定位置を決めることです。

使ったら必ずその位置に戻すことを習慣づけるわけですが、それもある程度ものの量が管理できる分量だからこそできる部分があります。

でも、ものってすぐに増えちゃいますよね。

ものを増やさないためにみなさんがしていることはありますか?

私の場合は、一応、『Amazonなどで買いたいものが出ても、欲しいものリストに数日入れておく』事は習慣にしています。

『あっ、いいな』と思っても、すぐに購入ボタンを押さずに、『でも予定にないから、今日は買わない』と思い直して、その場で買い物をしないということですね。

ADHDの人の中には買い物依存症やコレクション癖によって買い物をしすぎてしまう人がいるのです。

 私にも、そのような傾向が無きにしもあらず。

 

 まあ、私の場合基本的に出不精で、外に買い物に行くときはもうほとんど買うものが決まっている場合が多いので、衝動買いしてしまったりするのはもっぱらネットでの買い物についてですがね。コレクション癖(もしくはコレクション願望)も、結構あると思いますが、興味の分野が多岐にわたるので、買いたいままに買っていたらいくらお金があっても足りないので、本だけに留まってます。

 

 だから、Scansnapを十分に使いこなせてないのかなあ・・・


 どちらにしろ、こうしたルールを決めて衝動的な買い物を少なくするのは、自分にとってはいい方向に働いています。

『1日おいたらそんなに欲しくないや。似たのあるし。』となることも良くありますしね。

 

なるべくものを持ち込まない

 ものをなるべく家や職場の個人的なスペースに持ち込まないように心がけることも大切です。押し入れや物置など、収納場所が別にあるなら、使用頻度が低いものはなるべくそちらに移動するとかするのもいいと思います。

また、貸してもらったものは、借りっぱなしにしないで早めに返す。

ものをもらう時にも、不要だったら、断れたら断る。(人間関係にヒビが入らない程度に)

もしもらってもすぐに使うか、使わないものは処分する。

こういうことは鉄則でしょうね。

満杯の引き出しを片づけようとしたら中から使わない化粧品やメモ帳、ボールペン、付箋などの試供品がいっぱい出てきたという人も多いかもしれません。

いくら便利なものでも、持っていることを把握しきれなかったら持っていないのと同じですからね。

使うかもしれないからとっておこう、忘れてた、こんなのもらったっけ?なんて状態からは早めに脱出したいものです。

そして、一度しっかり掃除と片づけをして、ものが管理された状態を作ったら、それを維持すればいいんだ、と思えば、少しはできそうな気がしてきます。

あとで考えようじゃなくて今すぐ処理する習慣をつける。できないなら?

後回しにせずすぐに不用品を処分することも必要です。

とはいえ、何か仕事をしているときに、使うものを保管場所から机の上に持って来た後、片づけに気を取られて、作業自体に集中できなくなるのも困りものです。

私にもよくあるのですが、ホッチキスや紙に穴をあけるパンチなどを使った後、すぐに次の作業に取り掛かって、会社の同僚に迷惑をかけてしまうことがあります。

できるだけ、集中力を維持したいので、つい片づけを忘れてしまうのですが、これも、『今やっている〇〇の作業が終わったら、すぐ片づける』『その次は××をやる』とか、普段から使っている『何でも記録用』のリングノートに書いて、次にとるべき行動の一つに組み込んでしまえば、集中力を切らずにスムースに次の作業に取り掛かれる感じがしますので、いいですよ。問題は、『書く』こと自体を忘れないことですが。

すぐに片づけなくても人に迷惑をかけないものなら、片づけの判断に困ったものを入れておく箱を作っておくのもいいと思います。

職場では帰る前、自宅では寝る前、つまり一日の最後にそれをカラになるまで片づけをするようにしておけば、集中力を切らずに仕事ができます。これは私も時々やります。まだ習慣化するまで定着はしていませんが。

「今すぐ」片づけるのが無理、という人が、毎日必ず片づける習慣をつけるいい方法だと思います。

 

片付いた部屋の写真を撮る

あと、きれいに片付いたら、状態の写真を撮っておくのもいいと思います。

キレイな状態で気分がいい!という記憶を残せますし、その写真を見たら、片づけようというモチベーションも沸きます。見て確認できるとわかりやすいですから、どれをどこに置くようにすればいいのか、すぐにわかるので、片づけるという行動を起こすスターターにもなると思います。

そうやっていろいろな工夫を重ねて行きながら、最終的に片づけ自体を習慣にしていくようにしていく、というのが、ADHDの片づけ術の王道なんだと思います。

 

片づけが習慣化している状態とは?

『片づけが習慣化している状態』とは、たとえば、引き出しや戸は閉めながら、椅子は並べながら、落ちているものは拾って、片づけながら歩きます。

使ったものはすぐにしまい、こぼしたらすぐに拭き、飲んだり食べたりしたらそうする前と同じ状態に戻す、といった具合です。

こういうことは、時間が経つともっと面倒になるから後回しにせずすぐにやるんだ、と常に自分に言い聞かせましょう。

そうやって片づいたら、きっと気分がいいと思います。

すっきりして気が散ることが減り、仕事に集中できるようになると思います。

それに探しものをする無駄な時間が減ると思います。

でかける前に、ケータイはどこだ?前は探し物してばかりだったのが、多少なりとも改善するでしょうし、忘れ物やなくしものも減ってくると思います。

家事も捗るようになると思います。

洋服も本当に必要な服だけを残せば服を選びやすくなるはずです。

色々なものの配置が、見やすく、わかりやすくなります。

片づけのときにたくさんものを捨てることになり、『もったいない!買い物に計画性がなかった!』と思うので、これからは買い物をするときは慎重にしようと思えます。

片付いているメリットを意識する

片づけるモチベーションを上げるためには、散らかっていたときのデメリットと片づいてからのメリットを意識して憶えておくことは大事ですよね。

片づけよう、散らかさないようにしよう、という行動の大きな動機になりますから、あなたも自分自身の手で、メリット、デメリットを箇条書きしていくといいと思います。

散らかっているデメリット
  1. ごちゃごちゃして気が散る
  2. 探しものばかりして時間が取られる
  3. 忘れものやものをなくす原因になる
  4. 持っているものがわかりにくい
  5. ムダな買い物をしてしまう
片付いているメリット
  1. すっきりして集中できる
  2. 生活しやすい
  3. 仕事が捗る
  4. 持っているものを把握しやすい
  5. 買い物の重複がなく、お金を大事に使える

こういうメリット、デメリットが分かったら、もう散らかさないぞ!という気持ちになってきます。

一度片づけたら、その状態をカメラなどで記録しておき、一日の最後、一週間の最後な
ど時間を決めて、その状態を復元する「片づけの時間」を設けるようにしましょう。

片づけの上手な人に頼むことも一つの方法です。自分で手に負えない場合は検討してみ
てください。そのときに、できれば一緒に片づけを経験するとよいでしょう。何度か片づけの手順をくり返すうちに、もののあるべき場所や処分の方法がわかるようになります。

ポイントは、

  • ものを減らして定位置を決める
  • 片づけの時間を設けて、片づいた状態を維持
  • 人の力を借りてもいい

というところでしょうか。

片づけは、ADHDの人にとって永遠のテーマといえるくらい苦手なことですが、困っているのはあなただけではありません。お互い克服していけたらいいですね。