ADHDの経営コンサル情報日記

ADHD(注意欠如・多動性障害)特性を持つ経営コンサル会社社員の日記です。メンタルヘルス、健康、経営、業務効率化など、関心のあることについて書いていきます。

ADHDの時間管理を考える

もし、自分のADHD症状をチェックしてみて、「時間にルーズなところが直せない!」「いつも遅刻してばっかりだ!」ということに困っているのだ、ということがはっきりわかったとしましょう。困っているのだから、それがあなたが優先的に改善すべき問題なので、後回しにしないで解決してしまいましょう。

遅刻して迷惑をかけた人たちの顔が頭に浮かんで、つい自分を責めてしまいがちですが、自分を責めるのではなく、前向きにとらえましょう。
「問題を自覚していることが改善への第一歩なんだ」と。

 ADHDの特性に時間の見積りが苦手、時間の感覚が弱いということがあります。
そのためについ、時間に遅れたり、締切に間に合わなかったりするのです。その弱点をカバーするために、時間の感覚をトレーニングしましょう。

よく行う行動に掛かる時間を計測する

たとえば、外出しようと思ってから外出するまでに自分がどのくらい時間をかけているか把握していますか?そう聞かれたら、どう答えますか?

 私も含めてたいていの人が、あいまいにしか把握していません。たとえば、
 「5分くらいかな?」「10分くらいかな?」とか。 
 しかし、5分前くらいから出かける準備を始めている人が、実際に掛かる時間をストップウォッチで計って検証してみると、実際には20分とかかかっているケースがよくあるだろうことは、想像に難くないと思います。

 実際に計るより、出かける前にすることと、それぞれに必要な時間をリストにして
みたほうが、実践的かもしれません。ADHDにありがちな、ものが見つからない、というトラブルをはじめから加味して計算することができますので。(もちろん、面倒な場合は実際に測ってみてもいいですよ。)

着替えに3分、
カバンにケータイと財布を入れて1分、
(携帯が見つからなくて、うろうろしている時間10分orz)
髪を直してひげを剃って5分、
電気を消して靴をはいて鍵をかけるのに1分、
トイレに入って5分、
トーストと牛乳の軽い食事を、準備して食べるのに15分、
計40分もかかります、とか。


ADHDの人に起こりがちな、探し物が見つからなくて探している時間もちゃんと加味して、外出準備を始める時間を決めたら、事前準備の時間に想像以上の時間がかかる、ってことが分かると思います。こういうことをしっかり考えていなかったから遅刻していたんだ、と考えて、これからはちゃんと計測した時間以上早めに準備を始めればいいのです。

どれくらい早めに準備をすればいいのか分かったら、スマホや携帯に登録して、時間が来たらアラームが鳴るようにするなどの工夫をすればいいと思います。携帯のアラームは、たまに目覚ましとかで使う程度の人が多いと思いますが、ADHDの人は、使い倒すくらい使う!くらいの気持ちでいいと思います。予定が決まったらすぐにアラームを設定するようにすると良いのですがそのときになるべく細かく行動を設定すると集中して準備しやすいみたいです。 具体的には予定の集合時間だけではなく家を出る時刻や外出の準備を開始する時刻なども設定するんです。できるだけ、シャワーを浴びる時刻、着替えをする時刻まで設定しておくようにすると、なお良いです。そうしないと、準備をしている間に他のことに気を取られてしまうことがあるためです。例えば出かけるまえに、散らかった部屋が気になって片づけを始めてしまい、片づけ終わって疲れたらつい休憩してしまって、時間が経ってから「そうだ、出かける用事を忘れるところだった!」となってしまう、とか。
 
 私も毎日できているわけではないのですが、休日の土日にはわりとアラームの登録をしているお蔭で、月曜日は誰よりも早く出社できるようになっています。

行動をパッケージ化する

外出の準備をしているうちに気が散りやすいという人の場合、行動をパッケージにする
という方法もあります。毎日の出勤のように頻繁に同じ行動をする場合は、その準備を
ひとまとめにして、to do リストを作っておくのです
 たとえば毎朝、起きてから朝食を食べ、身じたくをして、持ち物をまとめ、戸締りをするなど同じことをする場合はその一連の行動をセットにして、いつも同じ順番で行うようにします。そして、その行動が終わるまでは他のことをしないと決めて、習慣づけするんです。慣れるまではリストを作って順番を確認しながら確実に実行していきましょう。
必要な時間も測り、繰り返して体に覚えさせるようにします。これは、単に頭の中で決めたことだと忘れてしまうので、スマホevernoteアプリやリマインダーアプリなどで記録しておきます。朝、なかなか頭が働かない、ついついぼーっとしてしまうという人に向いている場合があります。

「間に合わない!」のパターンを知る

 時間が足りなくなってしまうことが多いのなら、自分に「いつも、どのように時間が足りなくなっているんだろう?」と、質問してみてください。

手をつけるのが遅すぎるのでしょうか?
予定を忘れてしまうのでしょうか?
時間や場所を間違えるのでしょうか?
支度に時間がかかるのでしょうか?
集中できず気が散るのでしょうか?

 ひとくちに「間に合わない」といっても、人それぞれいろいろなパターンがあります。複数該当する人も多いでしょうから、自分のパターンを分析してみるのがいいと思います。
(ちなみに、私の場合は、上記のほぼ全てが均等に当てはまります。すべての対策が必要、ということですね)

 まずは予定、日時と場所、持ち物を忘れないように記録することが大切です。
 記録に手帳を使うのであれば、すべての予定は一冊に集約させ、毎日確認する習慣と組み合わせることが必要です。あっちこつちに分けて書いたり、たまにしか見ない手帳では不十分です。スマホのアラーム機能を使ったり、書き出して貼っておくのも、記録した予定を後で忘れないようにするためです。

 準備や課題を、より細かいいくつかの工程に分け、それぞれに期限を設けます。たとえば企画書を作るという作業であれば、●日(もしくは●時)までに資料を読む、○日(もしくは〇時)までに費用を算出する、△日(△時)までに企画書を書くといった具合です。それぞれに遅れがないか確かめましょう。

 期限があるタスクをやるときは、時間は常に余裕を見るようにしましょう。たとえば10日間必要な課題であれば20日間、そのための時間をとってみて、早めに着手するようにしてみましょう。

 人との待ち合わせも余裕を持って行動することが肝心です。待つのは嫌いでしょうが、早めに着いて現地でできることを考えてください。慌てて飛び出していくのが常では、不測のトラブルに対処できません。忘れ物や、身だしなみの乱れ、転倒や交通事故なども心配です。

 また、繰り返しになりますが、外出の用意を始めてから、何分後に自分が実際に出発できるか把握していますか?実際に必要な時間にプラスして、持ち物を再点検する時間、電車に乗る前に行き先をよく確かめる時間、到着してから一度トイレにいくことのできる時間、残高不足のICカードに現金をチャージできる時間など、余裕は必要なのです。
過去の経験を思い出しながら作戦をたててみてください。

「間に合わない!」を克服するには、

  1. 予定を記録して、確認できるようにする
  2. 準備や課題は小分けにして進捗管理
  3. 時間には余裕を持つ

の3つが大切ではないでしょうか。

 

待つのが嫌でも、スキマ時間に詰め込みすぎない

ADHDの人は、だいたい待つことが苦手です。
なかなか来ないバス、開かずの踏切、病院の診察待ち・・・。まだ?いつまで待たせるの?みんなうんざり顔です。そんななかでも、ADHDタイプのあなたは、他の誰よりもひときわイライラ、ジリジリしていませんか?

心の時計が独特の時を刻んでいるので、拷問にかけられていると感じるほどに、この時間が長く感じられるのです。
待つのが苦手だから、いつもギリギリの行動をしてしまう、という人も多いようです。
ちょっとでも時間にスキマがあくと、部屋にモノを詰め込むように、時間のスキマにも他の用事を詰め込みたくなります。
「ついでに今度の旅行の切符をとっておくか」なんて。
それが遅刻の原因になるケースもあるので、待つのが嫌でも、スキマ時間に詰め込み過ぎないようにして、スケジュールに余裕を持つことが肝心です。遅刻や「間に合わない!」が起きてしまうと、そんなスキマ時間の何十倍もの時間を無駄にしてしまう事になるのですから。ギリギリパターンを抜け出して、余裕をもちましょう。

 移動時間の見積もりが苦手なら、出かける時は、必ず前日にパソコンや携帯電話で交通機関の乗り換え検索をして、何時に家を出たらいいか調べます。
ただし、その場合の到着時間は、約束の時間の最低でも10分前、できれば30分前ぐらいに設定したほうがいいです。(私は大切な用事のときは、1時間前に到着するように心がけています。早く付いたら、本を読む時間に使います。)

 時間がもったいない、とは考えないほうがいいです。ギリギリ時間で、いつもあわてているほうが、よっぽど時間のムダ遣いです。
 余裕をもっと、自動車や電車に乗っても風景を楽しむことができますし、あわててヘンなミスをしてしまうこともなくなります。今まで「できない」と思い込んでいたことも、平静な心で向かえばできるようになるはずです。その結果、自分に自信がもてるようになるので、いつも笑顔でいられます。

あわてたりイライラした時は、立ち止まって深呼吸してください。
ここで焦って走っても、途中でつまずいて転んだら結果は同じ。いったん心を落ち着かせてから、ゆっくり歩いていけばいいのです。走り回って息も絶え絶え髪は乱れ、女性ならお化粧は汗でぐずぐず。誰と会ってもも「遅れてすみません」とペコペコあやまらなくてはいけない状況より、よほどいいと思いませんか?


手帳のスケジュールとマイルールで予定を整理


時間を逆算することができない、時間の見積もりが甘い、行き当たりばったりで行動しがち・・・。そんな困ったクセや行動を改善するには、スケジュールを作るのが一番です。スケジュール管理には、スマホよりはいろんな情報を書き込みやすい手帳がいいと思います。時々きちんと時間をとって、手帳を利用したスケジュール管理を、机に向かってやりましょう。
まずお気に入りの手帳を1冊買って、まず、起きる時間、寝る時間、食事の時間などの1日の基本的なタイムテーブルを決めて書き込みます。
「小学生じゃあるまいし、そんなことまで決めるべき?いやだわそんなん!」と思うかもしれません。でも、ADHDの方には、これが必要なんです。
ADHDタイプは穫物を狙うハンタ-さながら、目の前に関心事があるとそれ一筋につっぱしりがちです。
夜、好きな本を読んだり、DVDを観たりするうちに、気がついたら朝だった……なんていうこともよくあるはず。
あえて基本のスケジュールを決めて、自分で自分にリマインドしないと、ゴチャゴチャ時間はいつまでたっても片づきません。
次に、「午前8時~メールチェック」「午後8時~5分間片づけ」「午後9時~ストレッチ」など、毎日やると決めた「マイルール」を書き込んでください。
ただし、「マイルール」は頑張って詰め込みすぎないこと。
「やるべきこと」ばかりじゃなく、ティータイム、プチ瞑想などリラックスのための時間も意識して「マイルール」に組み込んでください。

 

スケジュールは毎日確認


また、手帳には約束や用事ができた時はできるだけすぐにその場で書き込みましょう。それが難しいなら、スマホにメモして、スケジュール見直しの時間にかならず手帳に転記しましょう。
適当な紙切れにメモするのは、モノをなくす名人のADHDの人にとっては失敗のもと。
同窓会の案内ハガキやイベント情報が届いた時も手帳に転記しておきましょう。美容院や歯医者の予約なども忘れがちなので、必ず書き入れてください。
毎日のスケジュール以外に、「今日やること」や「今週やること」などのリストを書いておくのもおすすめです。
さて、大切なのはスケジュールを書いたら必ず確認することです。
常にスケジュール帳を見るクセをつけてください。
家でも1回、会社でも1回と、時間を決めてチェックすることを「マイルール」のひとつにしてもいいですね。

 

まとめ

私なりに時間管理のコツをまとめると、

  1. 行動の一つ一つの所要時間を見積もる
  2. 「最短時間で片づける」と思わない
  3. 一つ一つをパソコンや携帯電話できちんと検索
  4. 到着時刻は30分前に設定
  5. あわてるほうが時間のムダと心得る
  6. 「あまり時間」を楽しむ
  7. 「スキマ時間」に予定を詰め込まない
  8. ついあわててしまったら、深呼吸
  9. 一つの手帳にまとめる
  10. スマホのアプリやアラームを活用

ということになります。これを積み重ねると、きっと、「遅れない」自分に自信が持てるようになってくるのではないでしょうか。

とはいえ、私も全部できてるわけではありません。まだまだ未熟ですが。。。ADHD症状を持つ皆さん、いっしょにがんばって、時間管理できるようになっていきましょう。